Thad Jones・Mel Lewis & The Jazz Orchestra
DISC LINEUP Vol.1


ONE MORE TIME
ワンモアタイム
Featuring
Recorded Data
1978.10.26.
Recorded Place
Warszawie (ワルシャワ)
First Sale
1979
Distribution
LP/CD/LD/VHS/DVD
LP
                              poljazz Z-SX-0697 

A1 Quietude 7:20
A2 Con Getchu 13:30
B1 Cecilia Is Love 6:30
B2 Fingers 14:10

Trumpet
Tromborn
Woodwind
Rhythm Section
                                         
Thad Jones
John Mosca
Dick Oatts
Mel Lewis
Larry Moses
Lilly Bienenfeld
Rich Perry
Jasper Lundgaard
Simo Salminen
Lee Robertson
Steve Coleman
Jim mc'neely
Ron Tooley
Doug Purviance
Charles Davis
Irvin Stokes
Robert Rockwell

ジャケットに記載されている資料が正しければThad Jones & Mel Lewis Orchestra のラストアルバムとなるでしょう。
メンバーを見ると両リーダー以外は全て当時の若手のミュージシャンに入れ替わっています。
ポーランド ワルシャワにおけるコンサート(Jazz Jamboree 78)ライブレコーディング盤です。
ジャケットの裏に解説文らしきものがあるが残念ながら私にはポーランド語の解読は全く不可能でした。
かろうじて演奏された年月日を読む事が出来たくらいでした。
26 paz'dziernika 1978 r.w sali =1978.10.26.(私にはこれが限界でした…)
会場名らしき記述 ⇒ekipa PRi'TV w warzawie と書いてありました。

内容から判断すると本来この場でライブアルバムを制作する意図は無かったと推測されます。
端的に言ってしまえばあまりにも録音が悪いからです。
あくまで推測ではあるがライブ録音をする為の収音マイクは基本的に使用されておらず、オンマイクによるコンサートPAのミキシングをそのまま2トッラクレコーディングされた状態として聞くことができます。
録音の悪さは両リーダーの死後に発表された後期のライブ盤に共通して言える事ではあるが、これは商品として考えた場合常軌を逸しています。つまり偶然録音した内容が商品に成り得た?から売ってしまったのでしょうか。
または収録する時点で関係者には内緒で録音して後から海賊版の如く販売しようと考えていた結果なのかも知れません。

当時既に世界的な名声を勝ち得ているBIG BAND JAZZ ORCHESTRAの演奏を録音するのであればあまりにもお粗末極まりないお話です。
70年代後期であればポーランドは技術的に資本主義国家に多少の遅れをとっているとは言えクラッシック音楽の分野では共産圏のポーランドでもかなり秀逸な名録音盤(一連のワルシャワフィルハーモニー作品)が多数残されているので技術的な問題ではないとすればやはり隠し録り的なきな臭さが付き纏ってしまいます。
トラックダウンする事が出来ない状況(ベースが常に爆音で録音されています)で記録されていたのは明白でしょう。
また純粋なライブ盤としての特徴である曲の少なさと一曲の収録時間の長さではBody & SoulやLive In Japanに匹敵しています。

両リーダーが存命中に発売されていますが、発売されたのは解散後となっているので正式な許可を得ていたかに付いては定かではありません。
その証拠としてこのアルバムは本国アメリカはもとより世界各国に出回った形跡は残されていません。しかし当時共産圏であったポーランドや東ドイツでは外貨獲得の為に関係者に無許可でこのような謎めいたライブアルバムを頻繁に制作し発売していたようです。
海外のサド&メル関係のサイトを参考にしてもこのアルバムの存在は見当たりません。
同様に謎のアルバムとして1976年「JAZZ W OPERZE LESNEJ」「The Great Concert」が存在しています。

このアルバムで特に興味深い部分は収録曲目のラストを飾る"Fingers"にあります。
Consummationで発表された当時のテンポの約1.5倍のスピードで演奏されてるのです。
この曲は「あまりにも譜面が難しくて早いテンポで演奏するとサックス隊の指(Finger)が縺れてしまう」からこのタイトルが付けられたそうです。
敢えて演奏崩壊寸前を知りながらもアップテンポで演奏し続けたメルはその後のバンド崩壊を予知していたからなのでしょうか?苦しみもがくサックス隊の地獄のソリを聞くと間近に迫ったバンドの終焉を暗示しているように感じてなりません。

このアルバムを聞き終えて何故か胸が痛くなってしまうのは私だけでしょうか…


Thad Jones & Mel Lewis Orchestra DISC LINEUP

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