Thad Jones・Mel Lewis & The Jazz Orchestra
DISC LINEUP Vol.14



Opening Night
オープニングナイト
Featuring
Recorded Data
1966.2.7.
Recorded Place
Villege Vanguard
First Sale
2001
Distribution
BMG
LP/CD/LD/VHS/DVD
CD
    WABC.FM Radio in NYC
ON AIR Tapes
CD CAT.NO.74321519392



1 INTRODUCTION 1:50
2 BIG DIPPER 5:10
3 POLKA DOTS & MOONBEAMS 3:47
4 ONCE AROUND 12:37
5 ALL MY YESTERDAYS 4:08
6 MORNING REVEREND 4:50
7 LOW DOWN 4:25
8 LOVER MAN 5:08
9 MEAN WHAT YOU SAY 5:35
10 DON'T EVER LEAVE ME 4:15
11 WILLOW WEEP FOR ME 6:25
12 THE LITTLE PIXIE 13:45

Trumpet
Tromborn
Reeds
Rhythm Section
                                       
Thad Jones
 Bob Brookmeyer 
Jerome Richardson
Mel Lewis
Snooky Young
Garnett Brown
Jerry Dodgion
Hank Jones
Jimmy Nottengham
Jack Rains
Eddie Daniels
Richard Davis
Bill Berry
Chiff Heather
Joe Farrelle
Saul(Sam) Herman
Jimmy Owens
Pepper Adams
Marv Holiday

一言…二言…それでも語り切れない感動のアルバム!

センセーショナルなデビューアルバム"PRESENTING"を発表する以前にNYCにて"Portrain In Jazz"としてFMオンエアーされたライブ音源から掘り起こされて近年発売されたライブアルバムである。
約35年以上を経てやっと陽の目を見る事になったのがこの"Opening Night"である。
録音されたデータによると"PRESENTING"(1966.5.4〜6.NYC A&R St.)がスタジオ収録される3ヶ月前にあたる。

キラ星のようなミュージシャン達によってその後サド&メルの核となる名曲の数々が既にこのライブで演奏されているのである。
贅沢のかぎりを尽くしたこのライブに遭遇した観客はどれほどの衝撃を感じた事であろう。
何よりも凄い点はアルバム収録されたこの日がサド&メルの初ライブであることである。

この音源を所有していた人物は"Portrain In Jazz"の番組プロデューサー兼インタビューアーのALAN GRANT氏である。
氏によるライナーノーツには少々自慢話が書かれているだけでさほど重要な情報は書かれてはいないのが残念であるが残されている資料からその当時の状況を少しだけ説明したい。

FM局のプロデューサーであるアラングラントは番組の制作の為にWEST VILLAGEにあるHALF NOTEでサドとメルが共に演奏していたペッパーアダムスのクインテットを訪問する。
その時グラントはメルから現在素晴らしいジャズオーケストラのリハーサルに入っていると告げられる。
その言葉に誘われてマンハッタンにあるA&Rリハーサルスタジオに赴くのである。
グラントはその場で繰広げられている素晴らしいサウンドに驚き即座にヴィレッジヴァンガードのオーナーであるMax Gordonのもとにライブの企画を持ち込むのである。
当時ライブハウスは月曜日のライブは行われていなかった。基本的にライブハウスはユニオンの取り決め(規定で月曜日はミュージシャンは休息日とされていた)からは除外されていたが暗黙の了解としてあくまでミュージシャンのお遊びの場としての月曜ライブを企画したのである。当時Birdlandは休業日、他のライブハウスもライブセッションは行われていなかった。
簡単に言えばグラントとゴードンはユニオンの掟破りをしたのである。

ヴィレッジヴァンガードのオーナーMax Gordonとの話し合いによって1ヶ月間4回のみ期限付きのMonday Liveを取り決める。
ライブに参加するメンバーの報酬は一律$17として交通費ほか一切の補償は無し。
ライブのチャージ代は$2.50。
低料金で数多くの観客を集める事を最優先したのである。
しかし現在も尚この料金が適応されているのは驚きである。

サド&メルのMONDAY NIGHT LIVEの成功によって続々とアメリカ中のライブハウスは月曜日はBIG BAND JAZZ ORCHESTRAのライブが常識化してゆくのである。誤解されやすいギルエバンスのMONDAY NIGHT Orch.はサド&メルの約20年後の発足である。

このアルバムに収録されている曲目はサド ジョーンズがカウントベイシーに委嘱されて書いたと言われている作品の多くが含まれている。
特にベイシーが演奏(リハーサル)を試みることなく却下した作品<ONCE AROUND>をはじめ<BIG DIPPER><LOW DOWN><MEAN WHAT YOU SAY>が素晴らしい。

このアルバムに収録されている<ONCE AROUND>を聞くことでサド&メルが脚光を浴びる以前のフルバンアレンジはステージ上にいるメンバーを如何に目一杯使いまくるかを基本としていたのだと改めて感じることができる。
このサド ジョーンズの野心的なアレンジの真骨頂はコンボの面白さを究極まで追い求めた後、盛り上がるソロイストの最後をフルバン全体で包み込んでしまうところにある。
たっぷりとソロを堪能しながら突如ブラス陣による超轟音の咆哮に身を任せる快感を初めてこの場にいる観衆は味わうことになったのである。またブラスロックにも共通すると思われるマッシグなフォルテッシモに観衆はそれまでのフルバンの常識的なフォルテッシモとは明らかに次元の違うサウンドに度肝を抜かされたに違いない。そしてソロイストの後ろからひたひたと忍び寄る甘美なサックス陣によるメロディ(オブリガート)の絡みに謎めいたときめきを感じたであろう。突如フリーとなるペッパーアダムスの豪快なソロ、ソロを遊びながらバンドのダイナミックスまでもコントロールしてしまうハンクジョーンズ、そしてコンボの時に聞かせるメルの絶妙なブラシワークと豪快にバンドをドライブさせるヴルーヴ感は筆舌に尽くしがたい。ハンクのソロ後半にメルがアンサンブルポイントを間違っているのもご愛嬌。
この一曲だけでも新しいバンドの誕生を実感するに十分である。

Little Pixieの"?"の謎もここで漸く解明される。
曲のラストで鳴り出す2つの不思議なアンサンブルはたぶんアニメのテーマを用いていると思われるがどうひいき目に見ても面白いとは言えない代物である。しかしこの二つの不思議なテーマが"小さな妖精"に由縁しているらしいのだが定かではない。
この部分を削除したのがその後正式な曲名<Little Pixie?>として発表されている。

このアルバムを聞く度に本当にこのバンドが誕生した時の演奏だったのだろうかと疑心暗鬼にかかってしまうのである。
バンドの初ライブそしてオンエアー収録その多くのプレッシャーは聞く限りどこにも感じられない。ましてこれだけの曲数を一度に演奏するのは壮絶な事ではないだろうか?
些細なミスは聞き取れるがバンドの最大の魅力である大きなヴルーヴ感は1978年のライブ盤まで終始一貫してこの日のライブに全て備わっているのである。
やはりサド・メル オーケストラはサドとメルが作り出した奇蹟だったのであろう。

尚、このアルバムはCDの限界に挑戦するかのごとく目一杯収録されているので一部のCDプレイヤーでは再生できない苦情が聞かれます。原因は80分DISCを使っている為で最大収録時間が74分の頃に発売された機械では対応していないからです。プレイヤーの表示にDISC ERRERや時折針飛びが起こってしまう場合はCDプレイヤーを買い換えなくてはならないでしょう。


Thad Jones & Mel Lewis Orchestra DISC LINEUP

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